ミニマリスト「本の庭」の本と趣味だけのシンプルライフ

20代ミニマリスト女子の生活と趣味について。モノが溢れていた実家から抜け出して、モノの代わりに趣味を増やしたい。

【書評】直木賞受賞作家 恩田陸のミステリー「ユージニア」は「蜜蜂と遠雷」の次の次に好きな本になりました。

こんにちは。本の庭です。

 

 

先日、恩田陸さんの「ユージニア」を読みました。

 

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恩田陸さんといえば、「蜜蜂と遠雷」。

2017年に第156回の直木賞と、第14回本屋大賞をダブル受賞したことで

話題になりましたよね。私も読みましたが、大好きな本の中の一つになりました。

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 

こちらも今度レビューしようと思います。

 

さらに、今年の秋には映画化されるそうですね。

予告動画を見ましたが、結構面白そう。。。


映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

 

蜜蜂と遠雷は映画化して欲しくない!と思っていましたが、少し見たくなっています。

松岡茉優さんが、元天才ピアノ少女の栄伝亜夜にぴったりなんですよね。

 

公開を楽しみにしています。

 

 

さて、話が逸れましたが、そんな私が大好きな恩田陸さんの

別の小説「ユージニア」を読みました。

 

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

 

 

「本の庭」的、蜜蜂と遠雷の次の次に好きな本になりましたね。

ちなみに2番目に好きなのは「夜のピクニック」です。

本屋大賞受賞している王道作品ですね。

 

そんなユージニアの書評をしていきます。

 

 

恩田陸×ミステリーの組み合わせが惹きつけられる。

恩田陸さんは、音楽、ファンタジー、青春小説と

幅広いジャンルで活躍する作家さんですよね。

 

今回のユージニアは、ジャンル分けが難しいですが、

ミステリーに入ると思います。

 

北陸にある小さな街K市で起こった、名家の大量毒殺事件。

事件当時は、犯人を特定できず迷宮入りしてしまった事件が、

数十年後、その事件について書かれた一冊の本『忘れられた祝祭』の出版を発端に

徐々に明らかになっていくという物語です。

 

 

私がこの本を読もうと思ったきっかけが

背表紙なんですが、この文章、かなり惹きつけられます。

 

「ねえ、あなたも最初にあった時に、犯人ってわかるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。 犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ---。(恩田陸著「ユージニア」背表紙より引用)

 どうですか?惹きつけられませんか?

装丁の赤黒いバラの絵も相まって、なんだかとってもミステリアスな物語の気がして、

購入しました。

 

 

いろんな人の口から語られる1つの事件

このお話は章ごとに事件を語る人が変わっていきます。

こういうタイプのミステリーって比較的王道かと思うんですが、

この「ユージニア」の場合は、それがどの立場の人かというのが、

章のタイトルになっていたりするわけではないんです。

だから、その登場人物の語りを聞きながら(読みながら)、

その人と事件との関わりを自分自身で探っていかなければならない。

 

はじめは少しこの構成に馴染むのに時間がかかりましたが、

一度慣れてしまったら、

この人はどの立場から事件を見ていたんだろう、

犯人と思われる人とどんな関係だったんだろう、

あの一家にどんな感情を抱いていたんだろう、

この人は事件について何か知っているんだろうか、

など、それを探るのが楽しくなっていきます。

 

 

ユージニアの意味って?結局犯人って?最後までモヤモヤが続く後味

※ネタバレないので大丈夫です

 

タイトルにもなっているユージニアは、事件現場に残されていた

一通の手紙に書かれていた言葉。

 

ユートピアと似た響きを持っているから、

なんとなく意味が途中でわかってきそうだなあと思ってはいたんですが、

決してそんな先を読めるような簡単な話ではなかったです。

 

えっ結局ユージニアってなんだっけ?

あれ?犯人って、あの人であってるよね、、、?

と誰かに話して確かめたくなるような、わかったようでわからない読後。

 

輪郭が見えたようで、でもまだその輪郭自体がぼやけているような

モヤモヤした気分になります。

読後スッキリ!ではないですが、いわゆる「イヤミス」でもなく、

私は結構この考えさせられるタイプの終わり方、好みでした。

 

まとめ

恩田陸さんは私の好きな作家さんの一人。

文体や登場人物のキャラクターがどことなく柔らかく、

優しい感じがしてとても好きです。

 

今回のユージニアにも、優しくて強いタイプの刑事さんが出てきてとても好みでした。

蜜蜂と遠雷にはかなわないですが、恩田陸さんの描くミステリーも

新鮮でミステリアスで不穏な空気が物語全体に漂っていて、とても面白かったです。

 

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

 

 

ぜひ、興味ある方は読んでみてください〜

では、今日も30分。